11/5(木)令和状況劇場を観てきた!

先日、大鶴義丹さんが旗揚げした令和状況劇場を観にいきました。
大好きな『下谷万年町物語』に、こんな上演があるんだ!と驚かされました。
いくつか例を挙げると。

まず、義丹さんの演出はとてもハードボイルドでした。
『下谷万年町物語』は、唐十郎が自らの幼少期を題材に書いた物語です。
必然、ノスタルジーに溢れ、センチメントな傾向を持っています。
けれど、義丹さんは、唐さんの血を引き継いでいながら、
いや、引き継いでいるからこそ、ある距離感を以って、
安易な感傷に陥らない硬質な上演を実践し、
それをとても新しく感じました。

それでいて。
上記とは矛盾するようですが。
劇中歌伴奏のメロディラインに、1970年前後の状況劇場が
生み出した劇中歌のものが散りばめられているのが、大きな発見でした。
こんなふうな上演方法があるのだと、驚かされました。

1970年前後といえば、義丹さんが生まれた前後の時代です。
自作の劇中歌を宴会で歌うことの大好きな唐さんですから、
きっと義丹さんの幼少期には、ああしたメロディが溢れていたように
想像します。義丹さんの独創的なアイディアによって、
唐さんが幼少期を振り返る衝動に、義丹さんが幼い頃を振り返る想いが
重なっていました。それでいて、先に書いたようにベタベタせず、
引き締まった上演であることにセンスを感じました。

最後にもうひとつだけ。
三幕終盤に出てくる二人羽織りのシーン。
あの場面が、ひときわ見事に演じられていました。
衣裳家さんのスタッフワーク、それを使いこなす出演者のおふたりにより、
あの、可笑しくも哀切な設定が巧みに立体化されていました。
長編の最後の方です。ともすれば観ることに疲れてくる劇終盤にも関わらず、
特に惹き込まれ、感じ入りました。

観劇後は。
台本にカットが施されていたので、後々にも振り返ることができるよう、
上演台本を買って帰りました。もちろん、プレゼントされた座布団も
大事に持ち帰り。『下谷万年町物語』の新機軸を拝見し、
自分がこの作品にぞっこんであることを確認して帰ってきました。

11/10(火)まで続く上演です。
できるだけ晴れて、できるだけ暖かな天候に恵まれますように!